競技かるた部活動報告〜その51〜祝✨ 全国大会出場✨
2018.06.18
6/16(土)、晴海総合高校にて、かるた甲子園こと、高校選手権の東京都最終予選が行われました。
先週行われた二次予選を3勝1敗で勝ち残った、海城、駒場、白鷗、青稜の四校が、総当たりのリーグ戦を行い、一位になった高校が、東京都第二代表として、一足先に全国出場を決めた暁星高校とともに、近江神宮で団体戦を戦うことになります。
海城高校は抽選の結果、一回戦白鷗高校、二回戦青稜高校、三回戦駒場高校との対戦となりました。
初戦、白鷗高校戦です。
同校は、去年東京都一位で全国出場し、さらに全国でも準優勝の結果を残している強豪校、もちろん海城よりも選手層も厚く、格上の相手です。
ところが、海城高校は、対戦の組み合わせの妙もあり、この白鷗に4-1で勝利。主将の高2林峻平が一番に勝ち星を挙げたあと、余裕を持って左右に的確な声かけを行い、他のメンバーをアシストするという理想的な団体戦の形がきっちりハマり、中でも高1橋本匠は、C級初段ながらB級二段の相手を倒す番狂わせを起こして、チームに貴重な一勝をもたらしました。
二回戦、青稜高校との対戦は、二次予選での再戦となります。二次予選でも3-2の辛勝で、苦しめられた相手でもあります。ここでは、主将林、五将山城颯太郎が早い勝ち星を挙げてチームを支え、副将高3伊藤知隆が厳しい接戦を制して3勝、前回と同じく3-2での勝ち越しとなりました。
三回戦、いよいよ駒場高校との最終決戦です。駒場高校も昨年の東京都代表校で全国出場しており、長く暁星高校と東京都を二分してきた古豪です。
二次予選の閉会式での講評でも、今年は暁星以外では駒場が頭ひとつ分抜けていると言われていて、この日最も厳しい試合となることが予想された戦いでした。
組み合わせも、主将対決に始まり、ほとんどが近い将順同士の対決で、ひと組も楽な試合がないガチンコ対決、観戦者も全く息がつけないようなシーソーゲームとなりました。
青稜戦に続く大接戦、一時は海城の3勝なるか、という場面もありましたが、結果は、主将対決を制した林と、チームの精神的支柱を担う副将伊藤の2勝にとどまり、2-3で敗北を喫しました。
この時点で、白鷗高校は駒場高校に二回戦で勝利しており、海城、白鷗、駒場の三校が2勝1敗で並んでいました。
さらに、海城と白鷗が勝ち数でも9勝同士で並んで、残り試合は白鷗の主将と青稜の副将の一試合を残すのみという状況でした。
二校が勝ち数でも並んだ場合は主将成績による判定で一位校が決定されます。
海城の主将である林はこの日全勝を挙げており、青稜が勝てば海城の全国出場、白鷗が勝てば白鷗の全国出場、という、非常に複雑かつドラマチックな展開となっていました。
ものすごい緊張感の中、その試合は運命戦(互いの持ち札が一枚ずつとなる状態)にまでもつれ込み、最後を制したのは、青稜高校の副将でした。
この瞬間、海城高校の全国出場が決まりました。
閉会式で東京都第二代表として表彰され、銀メダルをいただき、全国でも頑張ってきてくださいとの激励を受けても、まだ実感がないような気分でしたが、彼らの、「白鷗のぶんも駒場のぶんも、今まで当たった高校全部の思いを背負って俺達は全国に行く」という言葉は、実に誇り高い、心の成長を感じさせるものでした。
また、試合後は、歓喜する者、泣き崩れる者、様々でしたが、「まだあと1カ月、高3と一緒に部活ができる」と言って喜ぶ高2以下の姿に、ここまで高3生がいかに真摯に頑張ってきたかということがよく表れていて胸が熱くなりました。
今年の海城かるた部は、正直に言って、「強いチーム」ではありませんでした。層の厚かった先輩が卒業し、現高3生はたった二人しかいません。A級選手は高2の林だけで、メンバー入りする8人を全員有段者で埋めることすらできません。さらには、予選直前に、チームの柱である高3の伊藤知隆が足を骨折するというアクシデントもあり、今年全国に行くのは、A級選手四人を擁していた昨年よりもずっと難しいことでした。
ですが、いつもポジティブであることと、どんなに厳しい指導も本気で受け取ってすぐに改善する素直な姿勢という、今年のチームの持つ前向きさが、このミラクルを可能にしたのだと思います。
また、この全国出場は、昨年の悔しさを次の代に繋ぎ、直前まで自分たちの予定を後回しにして指導にきてくれたOB達、団体戦の練習相手になり、いつも応援に駆けつけてくれたメンバー外の後輩達、先生方、保護者の方々、どれひとつ欠くことの出来ない周囲の援助があってこその結果でした。本当に感謝しています。
かるた甲子園は、7/28、29に滋賀県近江神宮で行われます。
あと1カ月と少し、さらなる高みを目指して精一杯やり切りたいと思います。
予選後のミーティングで、先輩から「創部以来今年が一番」と言われた、「団体戦が強い海城かるた部イズム」を全国でも発揮できますよう、どうか応援をよろしくお願い申し上げます。